
2009年01月08日
将来の食糧危機を克服する決め手ともなり得る「野菜工場」や「植物工場」を制度的に後押しする動きが出ている。昨年暮れに報道されたものではあるが、食料安保を考えるうえで重要なので紹介する。
(12月24日付産経新聞)
経産・農水省 野菜工場普及へ法改正
野菜などを人工的な光や温湿度管理で栽培し生産量を通常の10~20倍に増やすことができる「植物工場」の導入を促進するため、経済産業省と農水省は、農地法の改正などによる特例措置を設ける方針を固めた。……法改正のほか、植物工場設置を優遇する「構造改革特区」への指定や補助金の創設を検討する。
……多くの規制が普及の障害になっている。特例措置で普及が進めば、食の安全・安心の確保や地域活性化にもつながりそうだ。
……ただ農地法に基づく農地の賃借・取得にかかわる煩雑な手続きに加え、建設コストがビニールハウスの20倍、光熱費も50倍近くかかることなどが普及の障害になっている。このため両省がタッグを組み、植物工場に限定した特例措置を導入する。政府は農業生産法人以外の民間企業による農地の賃借を解禁するなどの農地法改正案を来年の通常国会に提出する準備を進めているが、植物工場についてはさらに踏み込んだ優遇措置を設ける方向だ。
具体的には、農地の賃借・取得手続きの簡素化のほか、民間企業による農業生産法人への出資が原則10%未満に制限されている規制の緩和などを検討。農地に工場を建設すると、固定資産税などが宅地並みに課税される税制面での優遇も議論する。法改正の必要がない「特区」に指定することも選択肢に入れている。
このほか、建設費や維持費を軽減するための補助金の支給のほか、品種や栽培技術の開発援助なども導入したい考えだ。(以上引用)
日本農業の最大の問題は、新規参入がほとんど不可能で、国際競争力を全体として失ってしまっていることだ。それは、農地を所有し、農業を営むのを既存の農家にしか原則許していない法的規制(農地法など)がつくり出している。
しかし、「このままでは日本農業が沈没する」という危機感から、政府はこの規制の見直しを始めている。
農水省は11月末、農地の賃借を原則自由化し、企業や意欲的な事業家でも農業に参入できるようにする「抜本改革プラン」をまとめた。来年の通常国会に農地法改正案を提出する予定。
日本の農業再生には、企業家精神を持った“新しい血”を入れることが不可欠だ。大学や大学院の卒業生に「農業をやりたい」という人が続出するようなところまで持っていければ理想的だろう。
冒頭の「野菜工場」「植物工場」も、若者の人気就職先となる可能性を秘めている。農業の新たな挑戦を積極的に後押ししていってもらいたい。
(桜)